????の手記

2015年 8月

今日もいつものみんなで集まった。
オカルト研究部として前からしたかったことを提案してみた。

うちの学園にはよくある「学校の七不思議」みたいなものがある。
実際、七つもあるのかはわからないけど。
でも、不可解な現象は確実に起こっている。
適当な噂もあるかもしれないけど、私の直感では…この学園には”何か”がいる。

その謎を私たち四人で明らかにしてみない?と話したら、みんなは面白そうといってオッケーしてくれた。

学校が始まったら私とオカ研副部長の佐々木 直ささき なお
ゲーム部の部長の安納 阿礼あんのう あれいと副部長の遠山 有栖とおやま ありすの四人組で放課後の学園を探索することになった。

いつもなら夏休みが永遠に続けばいいのに、と思っていたけど今は早く学校が始まってほしいと思っている。
新学期が楽しみだ。

2015年 9月

前から結構噂されていた、同じ顔をした人間が学園内をうろついているという話。

”ドッペルさん”

目撃情報は毎回違う人であったが、ここ最近は同級生の丸富美 綾まるふみ あやが同時刻に別の場所でよく目撃されていた。
彼女の監視と学園の探索を続けていたら今日ついに”ドッペルさん”を見つけた。

接触を試みようと近づいたら”ドッペルさん”は私をじっと見つめた後に、

「やっと見つけた」

と一言つぶやくとまるで煙のように消えてしまった。
恐怖でしばらくその場から動けなかった。
しかし、同時に七不思議は本当にあったのだという嬉しさもあった。

そして、綾ちゃんはこの日を境に登校してこなくなった。

2015年 10月

私たち四人の下駄箱に差出人不明の手紙が入っていた。

「今夜0時に学園で死者を蘇らせる演奏会が開かれる、
それをなんとしても止めてほしい。」といった内容だった。

指定された時間より少し前から学園にはりこんでいると、ある女生徒が音楽室へ入っていった。
彼女の手には不気味なフルートがにぎられていた。

音楽室で彼女がフルートに口をつける前に私たちは彼女を止めた。
とても嫌な予感がしたからだ。

彼女は先日同級生の親友を亡くしていた。
学園から飛び降りたらしい、自殺だった。
彼女は死んだ親友にもう一度会いたかったと涙を流し言った。

そして、彼女もまた姿を消した。

2015年 11月

よくあるトイレの花子さんの噂を聞きつけた。

”三階の女子トイレに出る”

という噂。
確かに三階の女子トイレの一番奥の個室はずっと故障中で中には入れない。

放課後、人気がなくなった後に扉の上からのぞきこんだが特に何もなかった。
今回はハズレだったようだ。

2015年 12月

”夜の学校に化け物が出る”
そんな噂を聞いて夜の学校に足を運んだ。

”ベトベトさま”

時間も深夜にさしかかったときに三階にいた我々の背後から、正確には3Aの扉を開けて”そいつ”は現れた。

それは、数多の人間を切り刻んだ後に適当に繋ぎ合わせたような、おぞましい化け物だった。

腐り溶けた肉体を持つそれは私たちの方へ向かってきたが、幸い”ベトベトさま”は足が遅く私たちは逃げ切ることができた。

2016年 1月

”開かずの理科準備室”

常に鍵がかかっているその部屋に入ろうという話になった。
何故か、なおに怖いくらい反対された。

結果、今日なおがこなかったので三人で調べることになった。
そして、夜の理科準備室の扉が開いていた。

その中は光でおおわれ何も見えなかったが、入ってみることにした。
入った瞬間、私たちは意識を失った。
目を覚ますとそこは十年前の学園内だった。
今はない屋上に出るとそこには…

何かがいたはずなのだが、何も思い出せない。
気づくと、私たちは今の理科準備室前で意識を失って倒れていた。
他の二人より早く目覚めた私は閉ざされた準備室の扉の前で私を見下ろしている存在に気づいた。

それは、もう一人の私だった。

2016年 2月

「そろそろ自分の役目を思い出したかい?もう一人の私」

と”ドッペルさん”は私にそう言って消えた。
私は何か大切なことを忘れている。

私は誰だ?

2016年 3月

全て思い出した。思い出したくなかった。
私は人間でいたかった。私は人であり続けたかった。

だから私は、私を殺す。

私が人の振りを続けられるように、私に知りたくもない真実をつきつけてくる本来の私を消す。
もうそれしかない、その為に何もかもを犠牲にするしかない。

さよなら、みんな。

さよなら、阿礼あれい

愛していました。今までありがとう。