肌身離さず持っていた手帳

父と話し合った。
僕としては到底受け入れることのできない話だ。
妻も泣いていたし、初めて父と喧嘩した。
産まれたばかりの赤ん坊を養子にだすなど、到底了承できるわけがない。

だけれども、それが良い案なのだということは知っている。
最近、ロレンスは父への憎悪をさらに募らせているようだ……
僕も妻もロレンスがどんな人物なのか、父への嫉妬心から母にどんなことをしたのか、それを思い出すだけで恐ろしい。
あの人がいる以上、娘は常に命の危機に晒されてしまうのだろう。

父はずっと謝っていた……
「私がロレンスとの対決を恐れたばかりに、申し訳ないことをした」と。

僕と妻は決断を迫られている。

……僕たちが至らないばかりに、君には辛い思いをさせてしまうね。
僕たちの元を去っていく娘に、父と話し合い二つの宝物を渡すことにした。

1つ、運命の輪をその魂に。
我が家の家宝を君に託そう。
1つ、父の銀のコインを。
その昔父と勝負した運命の女神フォルトゥナが見守ってくれるように。

僕は毎晩妻と一緒に君の幸福を祈っている。
グッドラック……僕たちの最愛の娘、ビリー。