ウィリアム・セブンスの遺書

親愛なる君たちへ。

まず、私の死を悼んでくれる全ての人に感謝を。
思えば、私はこの”ノルン”という街で生まれ、この街に育てられてきた。
この街には私の多くの喜びと、多くの悲しみが染み付いていて、死という形でこの地を離れなければならないことを非常に心苦しく思う。

……そう、心残りがあるとするならば私はこの街に何も報いていないのだ。
だからこそ私は、今宵私を育て、喜びと悲しみを分かち合ったこの”ノルン”にひとつのチャンスを与えようと思う。
簡潔に述べよう……

”私の遺産を探し当てた者に、その全てを譲渡する”

私は、私の持ちうるモノの中で最も価値のある物品をこの街の何処かに隠した。
その遺産をいち早く手に入れた者に、文字通り私の財産全てを譲渡する。
その間、遺産以外の私の資産および不動産は顧問弁護士に管理を一任するものとする。
わかりやすくてシンプルだろう、宝探しだ。

とはいえ、街は広い。
ヒント無しでは永遠に見つかることはないかもしれない。
ヒントを授けよう。

『宝は都市の最も深く暗い場所にある』

『目に見えぬものを信じれば、
守り人の少女を楽しませることもできるだろう』

『翼を持つものだけが彼女に会えるだろう、
翼を持っていないならば金を高々に積み上げろ』

『ワイン好きの蛇を供にすることを忘れてはいけない、
彼は老婆の居場所を知っているのだから』